COMPARE / 選定と使い分け
ブラシ付きDCモータとブラシレスDCモータの違い
ブラシ付きは、ブラシと整流子の接触で電流を切り替えるため摩耗や火花が生じるが、駆動回路が不要で構成が簡単。ブラシレスは制御回路で電気的に切り替えるため、寿命は主に軸受で決まり、ノイズも小さいが、制御回路が必要でコストは上がる。
VISUAL GUIDE / 構造と流れを比べる
巻線・磁石・ブラシの配置と、通電を切り替える仕組みが分かります。
ブラシ付き:回転子に巻線
ブラシレス:固定子に巻線
永久磁石式・インナーロータの構造例です。寸法・極数・巻線配置は簡略化しています。ブラシと整流子は別の軸方向位置に描いた模式図で、同一断面の実寸図ではありません。センサレス方式もあり、位置検出方法は製品により異なります。
参考資料・更新情報 (2件)
確認日: 2026-11-01
FOCUS / 気になる違いから読む
電流の切り替え
A / ブラシ付き DC モータ
整流子とブラシが摺動して機械的に切り替える
B / ブラシレス DC モータ
制御回路(コントローラ)が整流子の代わりに巻線電流を切り替える。回転子の位置はホール素子、エンコーダ、逆起電力などで検出
寿命・保守
A / ブラシ付き DC モータ
ブラシが摩耗し、粉が出る
B / ブラシレス DC モータ
ブラシと整流子が不要で、寿命は主に軸受の寿命で決まるとされる。保守がしやすい
ノイズ
A / ブラシ付き DC モータ
整流の火花による電気ノイズと電磁干渉が生じる。爆発性の雰囲気では発火の危険がある
B / ブラシレス DC モータ
火花がなく、電気的・音響的なノイズが小さい。静かさの面でも優れるとされる
駆動回路
A / ブラシ付き DC モータ
不要
B / ブラシレス DC モータ
必須。制御電子回路により高価になる
コスト
A / ブラシ付き DC モータ
コストの低い領域ではブラシ付きが安価とされる
B / ブラシレス DC モータ
制御用の電子回路により高くなる
用途の例
A / ブラシ付き DC モータ
玩具、携帯電話の振動モータ(コアレスモータ)、電気鉄道など
B / ブラシレス DC モータ
ディスクドライブ、冷却ファン、電動工具、空調、産業用サーボ、電動自転車、ドローンなど
A / こんなときに検討
ブラシ付き DC モータ
- 駆動回路を省き、低コストで構成を簡単にしたいとき
B / こんなときに検討
ブラシレス DC モータ
- 長寿命・保守不要が求められる機器
- 電気ノイズや火花を避けたいとき、静音性を重視するとき
- 低負荷での効率や、速度・トルクの精密な制御を重視するとき
観点ごとの違い
| 観点 | ブラシ付き DC モータ | ブラシレス DC モータ |
|---|---|---|
| 電流の切り替え | 整流子とブラシが摺動して機械的に切り替える | 制御回路(コントローラ)が整流子の代わりに巻線電流を切り替える。回転子の位置はホール素子、エンコーダ、逆起電力などで検出 |
| 寿命・保守 | ブラシが摩耗し、粉が出る | ブラシと整流子が不要で、寿命は主に軸受の寿命で決まるとされる。保守がしやすい |
| ノイズ | 整流の火花による電気ノイズと電磁干渉が生じる。爆発性の雰囲気では発火の危険がある | 火花がなく、電気的・音響的なノイズが小さい。静かさの面でも優れるとされる |
| 駆動回路 | 不要 | 必須。制御電子回路により高価になる |
| コスト | コストの低い領域ではブラシ付きが安価とされる | 制御用の電子回路により高くなる |
| 用途の例 | 玩具、携帯電話の振動モータ(コアレスモータ)、電気鉄道など | ディスクドライブ、冷却ファン、電動工具、空調、産業用サーボ、電動自転車、ドローンなど |
置き換え・調達で確認すること
- ブラシ付きからの置き換えでは、駆動回路(ドライバ)と位置検出方式(ホール素子など)が必要になるため、回路・基板・ケーブルを含めて検討する
- ブラシレスはモータ単体の価格だけでなく、制御回路の費用を含めたコストで比較する
- ブラシ付きは使用時間に応じたブラシ摩耗の交換周期を、ブラシレスは軸受寿命を、それぞれ仕様書や使用条件で確認する
- ブラシレスは熱で磁石が弱くなったり巻線の絶縁が傷んだりするため、出力の上限は主に発熱で決まる。使用環境温度と冷却を確認する
一般的な傾向をまとめたものです。個々の製品の値はデータシートで確認してください。誤りはこちらからお知らせください。