COMPARE / 選定と使い分け

ホール式電流センサとシャント抵抗の違い

ホール式は電流経路に高精度抵抗を置かずに測る方式で、シャント抵抗は電流経路に入れた抵抗の電圧降下から測る方式である。精度とドリフトを重視する場合はシャントが有力とされる一方、外形や電源構成ではホール式が有利になる場面がある。

VISUAL GUIDE / 構造と流れを比べる

電流を磁界で読む方法と、電圧降下で読む方法を比べられます。

ホール式:磁界を検出

主電流 → 絶縁境界ホール素子磁界 → 電気信号

シャント式:電圧降下を検出

抵抗 R電流 I → 絶縁アンプ両端電圧 V=I×R抵抗の損失 P=I²R

絶縁型の構成例です。シャント抵抗そのものには絶縁機能がなく、絶縁アンプ等を組み合わせます。破線は機能上の絶縁境界で、絶縁距離や耐圧の寸法を表しません。ホール式も導体抵抗による損失があり、ゼロ損失ではありません。

参考資料・更新情報 (1件)

確認日: 2026-11-01

FOCUS / 気になる違いから読む

測り方

A / ホール式電流センサ

電流が作る磁界を検出する方式

B / シャント抵抗

電流経路の抵抗に生じる電圧(mV)を測る方式

精度とドリフト

A / ホール式電流センサ

ある IC の資料では、寿命全体の感度ドリフト誤差 ±0.5%、温度範囲と寿命全体の最大感度誤差 ±1.75%(キャリブレーション不要)。一方、電子回路と絶縁の経年劣化で寿命中に大きなドリフトが生じ得るとも指摘される

B / シャント抵抗

ドリフト 1%未満の高精度を実現できるとされる。電流範囲全体でホール式より高精度とされ、精度が最優先ならシャントが有力との見解がある

外形・設置

A / ホール式電流センサ

全体の外形は小さい

B / シャント抵抗

外形は測定する電流にほぼ比例して大きくなる。取り付け・保守・交換、標準的な制御系との接続はしやすいとされる

電源・部品

A / ホール式電流センサ

ある IC の例では、ローサイド電源 1 つで動作し、高精度抵抗が不要

B / シャント抵抗

ハイサイドとローサイドの電源が必要になる場合があり、部品点数とコストが増えやすい

応答速度

A / ホール式電流センサ

上記の IC の例では伝搬遅延が短い

B / シャント抵抗

同じ比較で、伝搬遅延が比較的長いとされる

A / こんなときに検討

ホール式電流センサ

  • 外形を小さくしたい、または追加の電源部品を減らしたいとき
  • 電流経路に抵抗を入れずに測りたいとき
  • 伝搬遅延の短さが要求される制御・保護回路のとき
B / こんなときに検討

シャント抵抗

  • 精度とドリフトの小ささを最優先する計測のとき
  • 大きな直流電流を、標準的な制御系に接続して測りたいとき
  • 取り付け、保守、交換のしやすさを重視するとき

観点ごとの違い

観点ホール式電流センサシャント抵抗
測り方電流が作る磁界を検出する方式電流経路の抵抗に生じる電圧(mV)を測る方式
精度とドリフトある IC の資料では、寿命全体の感度ドリフト誤差 ±0.5%、温度範囲と寿命全体の最大感度誤差 ±1.75%(キャリブレーション不要)。一方、電子回路と絶縁の経年劣化で寿命中に大きなドリフトが生じ得るとも指摘されるドリフト 1%未満の高精度を実現できるとされる。電流範囲全体でホール式より高精度とされ、精度が最優先ならシャントが有力との見解がある
外形・設置全体の外形は小さい外形は測定する電流にほぼ比例して大きくなる。取り付け・保守・交換、標準的な制御系との接続はしやすいとされる
電源・部品ある IC の例では、ローサイド電源 1 つで動作し、高精度抵抗が不要ハイサイドとローサイドの電源が必要になる場合があり、部品点数とコストが増えやすい
応答速度上記の IC の例では伝搬遅延が短い同じ比較で、伝搬遅延が比較的長いとされる

置き換え・調達で確認すること

  • 比較に使われた数値は特定の IC の例のため、検討する部品のデータシートで精度・ドリフトの条件(温度範囲、寿命)を確認する
  • ホール式から置き換える場合は、電源構成(ハイサイド・ローサイド)が変わるため回路全体を見直す
  • シャントでは電流に応じた損失・発熱と実装面積、ホール式では周囲の磁界や配置の影響を、実機条件で確認する
参考資料・更新情報 (2件)

一般的な傾向をまとめたものです。個々の製品の値はデータシートで確認してください。誤りはこちらからお知らせください。