COMPARE / 選定と使い分け

SAR型ADCとΔΣ型ADCの違い

SAR型ADCは入力を二分探索で絞り込み、Nビットの変換にN回のクロックサイクルを使います。ΔΣ型ADCは目的の帯域より十分高い周波数で標本化し、ノイズシェーピングとデジタルフィルタで分解能を高めます。SAR型は高いサンプリング速度や低消費電力を得やすいとされ、ΔΣ型は16ビットを超える高分解能に向くとされ、後段フィルタによる遅延があります。

HOW IT WORKS / 仕組みから比べる

入力からデジタル出力まで、変換の順序をたどります。

枠付きの部位や「比較表で確認」を選ぶと、対応する説明へ移動します。

SAR / 比較を繰り返す

入力を保持 比較器 DAC SAR →↓← 試した値を戻す デジタル出力 上位ビット → 下位ビット入力と試した値を順次比較

ΔΣ / 変調してフィルタ処理

入力 ↓ 差分 積分・量子化 帰還DAC − デジタルフィルタ 間引き・出力 帯域外の雑音をフィルタで抑える

基本方式を示す機能ブロック図です。ΔΣは低域用の例で、次数・量子化ビット数・フィルタ構成は製品により異なります。公称ビット数だけで精度や遅延を比較しないでください。

参考資料・更新情報 (2件)

確認日: 2026-11-01

FOCUS / 気になる違いから読む

動作原理

A / SAR 型 ADC

コンパレータ、逐次比較レジスタ、DACで入力電圧を二分探索し、最上位ビットから順に決める

B / ΔΣ 型 ADC

差分器・積分器・量子化器の帰還ループで量子化雑音の分布を整形し、後段のデジタルフィルタで高域の雑音を除く

変換に要する時間・遅延

A / SAR 型 ADC

Nビットの変換にN回のクロックサイクル(初期状態を除く)

B / ΔΣ 型 ADC

高いサンプリング周波数で標本化したのち、デシメーションフィルタで標本化レートを下げる。フィルタの種類・次数により遅延と整定時間が変わる。1次の変調器では入力が1クロック分遅れて出力される

分解能の目安

A / SAR 型 ADC

2012年時点の解説では18ビット程度までとされる。DACの素子整合性により、高分解能には校正が必要

B / ΔΣ 型 ADC

24ビットまで可能とされ、16ビットを超える用途に適するとされる。ただし24ビット出力でもダイナミックレンジが24ビット相当になるとは限らない

サンプリング速度・消費電力

A / SAR 型 ADC

高いサンプリング速度を得やすく、消費電力を抑えやすいとされる(EE Timesの解説)

B / ΔΣ 型 ADC

デシメーションフィルタにより、標本化レートを下げて出力する

ノイズの扱い

A / SAR 型 ADC

DACの誤差や雑音で判定を誤ると、後続のビットも誤る。kT/Cノイズを抑えるには入力容量が大きくなる

B / ΔΣ 型 ADC

ノイズシェーピングにより雑音は高域に寄せられる。次数を上げると帯域内のダイナミックレンジが向上するが、安定性の検討が必要になり設計が難しくなる

主な搭載・用途

A / SAR 型 ADC

マイコンに多く内蔵される

B / ΔΣ 型 ADC

デジタルオーディオ、モータ制御器、スイッチング電源など

A / こんなときに検討

SAR 型 ADC

  • 消費電力を抑えつつ高めのサンプリング速度が必要なとき
  • マイコン内蔵ADCとして、中程度の分解能で足りるとき
B / こんなときに検討

ΔΣ 型 ADC

  • 16ビットを超える高い分解能が必要なとき
  • 音声のように、帯域内のダイナミックレンジを重視するとき

観点ごとの違い

観点SAR 型 ADCΔΣ 型 ADC
動作原理図に戻る ↑コンパレータ、逐次比較レジスタ、DACで入力電圧を二分探索し、最上位ビットから順に決める差分器・積分器・量子化器の帰還ループで量子化雑音の分布を整形し、後段のデジタルフィルタで高域の雑音を除く
変換に要する時間・遅延図に戻る ↑Nビットの変換にN回のクロックサイクル(初期状態を除く)高いサンプリング周波数で標本化したのち、デシメーションフィルタで標本化レートを下げる。フィルタの種類・次数により遅延と整定時間が変わる。1次の変調器では入力が1クロック分遅れて出力される
分解能の目安2012年時点の解説では18ビット程度までとされる。DACの素子整合性により、高分解能には校正が必要24ビットまで可能とされ、16ビットを超える用途に適するとされる。ただし24ビット出力でもダイナミックレンジが24ビット相当になるとは限らない
サンプリング速度・消費電力高いサンプリング速度を得やすく、消費電力を抑えやすいとされる(EE Timesの解説)デシメーションフィルタにより、標本化レートを下げて出力する
ノイズの扱い図に戻る ↑DACの誤差や雑音で判定を誤ると、後続のビットも誤る。kT/Cノイズを抑えるには入力容量が大きくなるノイズシェーピングにより雑音は高域に寄せられる。次数を上げると帯域内のダイナミックレンジが向上するが、安定性の検討が必要になり設計が難しくなる
主な搭載・用途マイコンに多く内蔵されるデジタルオーディオ、モータ制御器、スイッチング電源など

置き換え・調達で確認すること

仕様書と照らし合わせ、確認できた項目にチェックしてください。チェックはこのページを離れると消えます。

仕様が決まったら

分類を選ぶと、見積依頼文の作成に進めます。メーカー一覧では購入先を確認できます。

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参考資料・更新情報 (4件)

一般的な傾向をまとめたものです。個々の製品の値はデータシートで確認してください。誤りはこちらからお知らせください。