COMPARE / 選定と使い分け

ショットキーバリアダイオードとファストリカバリダイオードの違い

ショットキーバリアダイオードは金属と半導体の接合で多数キャリアのみが動くため、順方向電圧が低く高速だが、逆方向漏れ電流が大きく耐圧が低めになる。ファストリカバリダイオードはpn接合のキャリア寿命を短くして逆回復を速めたもので、高い逆耐圧が必要な用途で使われる。

HOW IT WORKS / 仕組みから比べる

金属との接合と、pn接合の違い

「比較表で確認」を選ぶと、対応する説明へ移動します。

SBD / 金属と半導体の接合

金属n型 金属・半導体接合 多数キャリアによる導通
基本構造では金属とn型半導体の境界に障壁を形成し、多数キャリアで導通します。

FRD / 回復を速めたpn接合

p型n型 pn接合 少数キャリアの蓄積と逆回復
p型とn型の接合を使い、蓄積キャリアによる逆回復を短くするよう設計します。

基本的な接合の模式図です。SBDにも接合容量による過渡電流があり、JBSなど複合構造もあります。逆回復時間・電荷は電流、温度、di/dtなどの試験条件を揃えて比較します。

参考資料・更新情報 (1件)

確認日: 2026-11-01

FOCUS / 気になる違いから読む

接合構造

A / ショットキーバリアダイオード

金属-半導体接合。多数キャリアのみで動作する

B / ファストリカバリダイオード

pn接合。キャリア寿命を短縮して回復を速める

順方向電圧

A / ショットキーバリアダイオード

約0.15〜0.45V(Wikipedia)/約0.2〜0.5V(技術解説)

B / ファストリカバリダイオード

約0.7〜1.2V(技術解説)

逆回復

A / ショットキーバリアダイオード

少数キャリアの蓄積がなく、ほとんど無視できる。接合容量で速度が決まる

B / ファストリカバリダイオード

典型的に100〜500ns。ウルトラファストは50ns未満(技術解説)

逆耐圧

A / ショットキーバリアダイオード

シリコン品は一般に50V以下。200V程度でも高いとされ、高耐圧品は順方向電圧の利点が薄れる

B / ファストリカバリダイオード

キロボルト級以上も可能(技術解説)

逆方向漏れ電流

A / ショットキーバリアダイオード

比較的大きく、温度上昇で増える。熱的不安定の原因になる

B / ファストリカバリダイオード

nA程度と非常に小さい(技術解説)

ロバスト性

A / ショットキーバリアダイオード

pn接合ダイオードより許容損失が小さく、逆ブレークダウンに弱い

B / ファストリカバリダイオード

pn接合ダイオードのため、ショットキーより許容損失が大きい

主な用途

A / ショットキーバリアダイオード

スイッチング電源の整流、電圧クランプ、ブロッキングダイオード、RF検波

B / ファストリカバリダイオード

スイッチング電源の出力整流、DC-DCコンバータ、モータ駆動の還流、誘導加熱

A / こんなときに検討

ショットキーバリアダイオード

  • 低電圧出力のスイッチング電源で、整流時の損失を小さくしたい場合
  • トランジスタの飽和防止などの電圧クランプ回路
  • 逆回復の影響を避けたい高速スイッチング回路
B / こんなときに検討

ファストリカバリダイオード

  • 数百V以上の逆電圧がかかる整流・還流回路
  • 漏れ電流を小さく抑えたい設計
  • モータ駆動インバータの還流ダイオードや誘導加熱回路

観点ごとの違い

観点ショットキーバリアダイオードファストリカバリダイオード
接合構造図に戻る ↑金属-半導体接合。多数キャリアのみで動作するpn接合。キャリア寿命を短縮して回復を速める
順方向電圧約0.15〜0.45V(Wikipedia)/約0.2〜0.5V(技術解説)約0.7〜1.2V(技術解説)
逆回復図に戻る ↑少数キャリアの蓄積がなく、ほとんど無視できる。接合容量で速度が決まる典型的に100〜500ns。ウルトラファストは50ns未満(技術解説)
逆耐圧シリコン品は一般に50V以下。200V程度でも高いとされ、高耐圧品は順方向電圧の利点が薄れるキロボルト級以上も可能(技術解説)
逆方向漏れ電流比較的大きく、温度上昇で増える。熱的不安定の原因になるnA程度と非常に小さい(技術解説)
ロバスト性pn接合ダイオードより許容損失が小さく、逆ブレークダウンに弱いpn接合ダイオードのため、ショットキーより許容損失が大きい
主な用途スイッチング電源の整流、電圧クランプ、ブロッキングダイオード、RF検波スイッチング電源の出力整流、DC-DCコンバータ、モータ駆動の還流、誘導加熱

置き換え・調達で確認すること

仕様書と照らし合わせ、確認できた項目にチェックしてください。チェックはこのページを離れると消えます。

仕様が決まったら

分類を選ぶと、見積依頼文の作成に進めます。メーカー一覧では購入先を確認できます。

ショットキーバリアダイオード(Si)の見積依頼文 →整流ダイオード・ブリッジ・FRDの見積依頼文 → メーカー・代理店を探す ↓
参考資料・更新情報 (3件)

一般的な傾向をまとめたものです。個々の製品の値はデータシートで確認してください。誤りはこちらからお知らせください。