シングルモード光ファイバとマルチモード光ファイバの違い
シングルモードはコアが細く光の通り道(モード)が1つのため、モード分散がなく長距離伝送に使われます。マルチモードはコアが太く複数のモードが伝わるので、モード分散により距離が限られますが、LEDやVCSELなどの光源と組み合わせて短距離で使われます。
コアの寸法と、光の伝搬モードの違いを見比べられます。
断面の寸法例:同じ縮尺
シングルモード
マルチモード
伝わり方の概念:寸法図とは別の縮尺
寸法は9/125と50/125の例で、マルチモードには62.5/125もあります。単一モードの実際のコア径とモードフィールド径は同じとは限りません。下図の線はモード数の概念を示し、電磁界分布や光線の厳密な軌跡ではありません。
参考資料・更新情報 (2件)
確認日: 2026-11-01
コア径
約8〜10.5μm(クラッドは125μm)。ガラス製のモードフィールド径の例は9.2μm
ガラス製で50μmまたは62.5μm(クラッドは125μm)
使う波長
1310 nmと1550 nm(9/125μmのOS1・OS2)
850 nmと1300 nm(LEDやVCSELの動作波長)
分散による制約
モード分散はない。速度は偏波モード分散と波長分散で制限される
複数のモードの速度差でパルスが広がり、距離が伸びるほど影響が大きくなる(モード分散)
伝送距離の例
2005年時点で市販のトランシーバが10 Gbit/sで80 km超。光増幅器等を使うDWDMでは10 Gbit/sで数千km
10 Gbit/sイーサネットで、OM3は最大300 m。10GBASE-LRMは電子的な分散補償(EDC)を使い約220 m
等級・減衰
OS1は最大1 dB/km、OS2は最大0.4 dB/km
OM1(62.5/125)、OM2〜OM5(50/125)に区分。OM5は850〜953 nmのモード帯域を規定した広帯域用
費用
機器は歴史的にマルチモードより高価。ファイバ自体は通常安い
機器はシングルモード用より安価
シングルモード光ファイバ
- 数十kmを超える長距離のリンクを構成する場合
- モード分散に制限されない大容量の伝送が必要な場合
マルチモード光ファイバ
- 短距離のリンクの場合
- LEDやVCSELなどの光源を使って機器側の費用を抑えたい場合
- OM3で10 Gbit/sのリンクを組む場合
観点ごとの違い
| 観点 | シングルモード光ファイバ | マルチモード光ファイバ |
|---|---|---|
| コア径 | 約8〜10.5μm(クラッドは125μm)。ガラス製のモードフィールド径の例は9.2μm | ガラス製で50μmまたは62.5μm(クラッドは125μm) |
| 使う波長 | 1310 nmと1550 nm(9/125μmのOS1・OS2) | 850 nmと1300 nm(LEDやVCSELの動作波長) |
| 分散による制約 | モード分散はない。速度は偏波モード分散と波長分散で制限される | 複数のモードの速度差でパルスが広がり、距離が伸びるほど影響が大きくなる(モード分散) |
| 伝送距離の例 | 2005年時点で市販のトランシーバが10 Gbit/sで80 km超。光増幅器等を使うDWDMでは10 Gbit/sで数千km | 10 Gbit/sイーサネットで、OM3は最大300 m。10GBASE-LRMは電子的な分散補償(EDC)を使い約220 m |
| 等級・減衰 | OS1は最大1 dB/km、OS2は最大0.4 dB/km | OM1(62.5/125)、OM2〜OM5(50/125)に区分。OM5は850〜953 nmのモード帯域を規定した広帯域用 |
| 費用 | 機器は歴史的にマルチモードより高価。ファイバ自体は通常安い | 機器はシングルモード用より安価 |
置き換え・調達で確認すること
- ファイバの種別(シングルモードかマルチモードか)は、使う光トランシーバの波長・規格と一致させる
- マルチモードはOM1〜OM5の等級で到達距離が変わるため、必要な速度と距離を満たす等級か確認する
- 10GBASE-LRMのように、規格によっては電子的な分散補償(EDC)が必要な場合がある
- 被覆色は等級の目安になるが、ベンダによって異なる色を使うことがあるため、仕様書で確認する
一般的な傾向をまとめたものです。個々の製品の値はデータシートで確認してください。誤りはこちらからお知らせください。