COMPARE / 選定と使い分け
厚膜チップ抵抗と薄膜チップ抵抗の違い
厚膜は導電性粒子とガラスの混合物を印刷して焼結し、薄膜はスパッタリングなどで膜を形成します。薄膜は温度係数・ノイズ・経時変化で有利とされ、厚膜は製造コストが低く高電力用途に向くとされます。ただし厚膜にも許容差±0.1%まで高精度化した品があります。
HOW IT WORKS / 仕組みから比べる
基板の上に、抵抗膜をどう作る?
「比較表で確認」を選ぶと、対応する説明へ移動します。
厚膜 / ペーストを印刷して焼成
薄膜 / 成膜してパターン加工
断面の模式図です。膜厚比や粒子配置を実測した図ではありません。許容差・TCR・耐パルス性能は製品ごとの仕様で比較し、製法だけで優劣を決めないでください。
FOCUS / 気になる違いから読む
製法
A / 厚膜チップ抵抗
導電性粒子とガラスを混ぜたペーストを印刷し焼結する
B / 薄膜チップ抵抗
膜をスパッタリングなどで形成し、フォトまたはレーザーによるエッチングで加工する
抵抗体の厚さ
A / 厚膜チップ抵抗
1〜100 μm
B / 薄膜チップ抵抗
0.001〜1 μm
許容差
A / 厚膜チップ抵抗
一般の記述では5%程度。材料とトリミングの改良で±0.1%まで高精度化した品もある
B / 薄膜チップ抵抗
0.01%程度まで小さくなるとの記述
温度係数(TCR)
A / 厚膜チップ抵抗
ガラスの影響でTCRが大きくなる
B / 薄膜チップ抵抗
TCRが小さい
ノイズ
A / 厚膜チップ抵抗
ガラスの影響でノイズが増える
B / 薄膜チップ抵抗
非常に小さいとされる
電力
A / 厚膜チップ抵抗
大きなエネルギーを扱え、高電力用途に優れるとされる
B / 薄膜チップ抵抗
向上しており、0805サイズで0.1 W〜0.25 Wの例がある
コスト
A / 厚膜チップ抵抗
製造コストが薄膜よりはるかに低いとされる
B / 薄膜チップ抵抗
厚膜より高い
用途の位置づけ
A / 厚膜チップ抵抗
大量生産や電力容量を優先する用途
B / 薄膜チップ抵抗
温度変化の影響を受けやすい環境での安定性と精度が必要な用途
A / こんなときに検討
厚膜チップ抵抗
- コストと電力容量を優先する場面
- 大量生産で許容差が緩い用途
- 高精度化された厚膜品で要求仕様を満たせる場合
B / こんなときに検討
薄膜チップ抵抗
- 低い温度係数や小さい許容差が求められる計測・制御回路
- オーディオ機器の高音質化など、ノイズを抑えたい用途
- 長期の経時変化を小さく保ちたい用途
観点ごとの違い
| 観点 | 厚膜チップ抵抗 | 薄膜チップ抵抗 |
|---|---|---|
| 製法図に戻る ↑ | 導電性粒子とガラスを混ぜたペーストを印刷し焼結する | 膜をスパッタリングなどで形成し、フォトまたはレーザーによるエッチングで加工する |
| 抵抗体の厚さ図に戻る ↑ | 1〜100 μm | 0.001〜1 μm |
| 許容差図に戻る ↑ | 一般の記述では5%程度。材料とトリミングの改良で±0.1%まで高精度化した品もある | 0.01%程度まで小さくなるとの記述 |
| 温度係数(TCR) | ガラスの影響でTCRが大きくなる | TCRが小さい |
| ノイズ | ガラスの影響でノイズが増える | 非常に小さいとされる |
| 電力 | 大きなエネルギーを扱え、高電力用途に優れるとされる | 向上しており、0805サイズで0.1 W〜0.25 Wの例がある |
| コスト | 製造コストが薄膜よりはるかに低いとされる | 厚膜より高い |
| 用途の位置づけ | 大量生産や電力容量を優先する用途 | 温度変化の影響を受けやすい環境での安定性と精度が必要な用途 |
置き換え・調達で確認すること
仕様書と照らし合わせ、確認できた項目にチェックしてください。チェックはこのページを離れると消えます。
参考資料・更新情報 (2件)
一般的な傾向をまとめたものです。個々の製品の値はデータシートで確認してください。誤りはこちらからお知らせください。