IGBTとMOSFETの違い
IGBTとMOSFETはどちらもゲート電圧で制御します。IGBTは少数キャリアの注入によって導通抵抗を抑える一方、ターンオフ時にテール電流が生じます。MOSFETの主な導通は多数キャリアが担います。採用判断では使用条件ごとの導通損失とスイッチング損失を比較します。
ターンオフ後の電流の残り方を比べる
「比較表で確認」を選ぶと、対応する説明へ移動します。
IGBT / 蓄積キャリアが残る
MOSFET / 少数キャリアの蓄積なし
同一条件の実測比較ではなく、ターンオフの定性的な模式図です。MOSFETも瞬時には切り替わらず、寄生容量や回路の振動・ダイオードの挙動は省略しています。
動作の仕組み
pn接合のコレクタ層から少数キャリアが注入される。ドリフト領域の抵抗が下がる反面、キャリアの消滅に時間がかかる
単極性デバイス。少数キャリアを取り除く必要がない
導通時の電圧降下
VCE(sat)は電流・温度・ゲート駆動条件によって変わる
オン抵抗と電流によって電圧降下が生じる。オン抵抗は温度・ゲート電圧にも依存する
スイッチング速度
少数キャリア蓄積のため遅く、スイッチング損失が大きい
高速。内部容量とゲートドライバで速度が決まる
耐圧・電流の目安
一律の境界値では選べない。コレクタ・エミッタ間の耐圧、許容電流、安全動作領域を品番で確認する
低耐圧から高耐圧まで製品がある。ドレイン・ソース間の耐圧、許容電流、安全動作領域を品番で確認する
逆方向の導通
できない。ブリッジ回路では逆並列のダイオードが必要
ドレイン-ソース間にボディダイオードがある
ゲート駆動電圧の目安
VGEのしきい値と、導通させるための推奨駆動電圧を区別する。絶対最大定格も品番ごとに確認
VGSのしきい値と、オン抵抗が規定される駆動電圧を区別する。絶対最大定格も品番ごとに確認
主な用途
モータ用インバータ、太陽光・ハイブリッド用インバータ、UPS、溶接機、誘導加熱調理器
電源、DC-DCコンバータ、低電圧モータ制御、民生・車載機器
IGBT
- 高電圧・大電流で、スイッチング周波数がそれほど高くない用途(モータ駆動用インバータなど)
- 高耐圧側で導通時の電圧降下を小さくしたい設計
- 数百kW級の負荷を扱う大容量モジュールを使う場合
MOSFET
- 低電圧から中電圧で、スイッチング周波数を高くしたい電源・DC-DCコンバータ
- ボディダイオードを還流経路に使う同期整流やハーフブリッジ回路
観点ごとの違い
| 観点 | IGBT | MOSFET |
|---|---|---|
| 動作の仕組み図に戻る ↑ | pn接合のコレクタ層から少数キャリアが注入される。ドリフト領域の抵抗が下がる反面、キャリアの消滅に時間がかかる | 単極性デバイス。少数キャリアを取り除く必要がない |
| 導通時の電圧降下 | VCE(sat)は電流・温度・ゲート駆動条件によって変わる | オン抵抗と電流によって電圧降下が生じる。オン抵抗は温度・ゲート電圧にも依存する |
| スイッチング速度図に戻る ↑ | 少数キャリア蓄積のため遅く、スイッチング損失が大きい | 高速。内部容量とゲートドライバで速度が決まる |
| 耐圧・電流の目安 | 一律の境界値では選べない。コレクタ・エミッタ間の耐圧、許容電流、安全動作領域を品番で確認する | 低耐圧から高耐圧まで製品がある。ドレイン・ソース間の耐圧、許容電流、安全動作領域を品番で確認する |
| 逆方向の導通 | できない。ブリッジ回路では逆並列のダイオードが必要 | ドレイン-ソース間にボディダイオードがある |
| ゲート駆動電圧の目安 | VGEのしきい値と、導通させるための推奨駆動電圧を区別する。絶対最大定格も品番ごとに確認 | VGSのしきい値と、オン抵抗が規定される駆動電圧を区別する。絶対最大定格も品番ごとに確認 |
| 主な用途 | モータ用インバータ、太陽光・ハイブリッド用インバータ、UPS、溶接機、誘導加熱調理器 | 電源、DC-DCコンバータ、低電圧モータ制御、民生・車載機器 |
置き換え・調達で確認すること
仕様書と照らし合わせ、確認できた項目にチェックしてください。チェックはこのページを離れると消えます。
仕様が決まったら
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一般的な傾向をまとめたものです。個々の製品の値はデータシートで確認してください。誤りはこちらからお知らせください。