COMPARE / 選定と使い分け

インクリメンタルとアブソリュートエンコーダの違い

インクリメンタル式は1回転あたり決まった数のパルスを出力し、角度の変化を検出します。アブソリュート式は位置ごとに固有の値を出力するため、電源遮断後も絶対位置が分かります。インクリメンタル式は通常、電源再投入後に原点復帰が必要ですが、IO-Link対応のものは位置を保持する例があります(ifmの解説)。

ENCODER / 位置の読み取り方

インクリメンタル:変化を数える

軸の回転パルス → 変化量

アブソリュート:位置を読む

位置の固有値 軸の位置コード → 絶対位置
動作を理解するための概念図です。円板の模様や信号は特定製品の仕様を表しません。
FOCUS / 気になる違いから読む

出力の考え方

A / インクリメンタルエンコーダ

1回転につき定義されたパルス数(インクリメント)を出力し、角度の変化を検出する

B / アブソリュートエンコーダ

位置ごとに固有の値を出力する

電源遮断後の位置

A / インクリメンタルエンコーダ

通常は電源再投入後に原点(起点)へ戻す原点復帰が必要

B / アブソリュートエンコーダ

電源を切っても絶対位置値が分かり、原点復帰は不要

分解能の設定例(ifm)

A / インクリメンタルエンコーダ

1〜10,000パルス/回転で設定できる(シリーズにより下限は異なる)

B / アブソリュートエンコーダ

パラレル出力の例では12ビットで分解能4096。シングルターンは13ビット、マルチターンは24・25・31ビットの例

出力インターフェース

A / インクリメンタルエンコーダ

TTL(最大12,000rpmまで)、HTL(長いケーブル長に推奨)のモード例

B / アブソリュートエンコーダ

パラレル、SSI、各種フィールドバス(Profibus、CANopen、EtherCATなど)に対応する機種がある

適した用途

A / インクリメンタルエンコーダ

角度の位置変化を検出するため、高速な処理に適している

B / アブソリュートエンコーダ

マルチターンは線形測定や距離測定にも適する。シングルターンは1回転内の位置、マルチターンはギアトレインと組み合わせて複数回転の位置も判定する

A / こんなときに検討

インクリメンタルエンコーダ

  • 回転量や速度の変化を検出できればよく、起動後に原点復帰を行う運用ができるとき
  • 高速な処理が必要なとき
B / こんなときに検討

アブソリュートエンコーダ

  • 停電や電源遮断の後に、原点復帰をせず位置を把握したいとき
  • 複数回転にわたる位置や、直線・距離の測定が必要なとき(マルチターン)
  • フィールドバスやSSIなどで位置データを受け取りたいとき

観点ごとの違い

観点インクリメンタルエンコーダアブソリュートエンコーダ
出力の考え方1回転につき定義されたパルス数(インクリメント)を出力し、角度の変化を検出する位置ごとに固有の値を出力する
電源遮断後の位置通常は電源再投入後に原点(起点)へ戻す原点復帰が必要電源を切っても絶対位置値が分かり、原点復帰は不要
分解能の設定例(ifm)1〜10,000パルス/回転で設定できる(シリーズにより下限は異なる)パラレル出力の例では12ビットで分解能4096。シングルターンは13ビット、マルチターンは24・25・31ビットの例
出力インターフェースTTL(最大12,000rpmまで)、HTL(長いケーブル長に推奨)のモード例パラレル、SSI、各種フィールドバス(Profibus、CANopen、EtherCATなど)に対応する機種がある
適した用途角度の位置変化を検出するため、高速な処理に適しているマルチターンは線形測定や距離測定にも適する。シングルターンは1回転内の位置、マルチターンはギアトレインと組み合わせて複数回転の位置も判定する

置き換え・調達で確認すること

  • 電源遮断後の位置の扱い(原点復帰の要否)を、運用手順と合わせて確認する
  • インクリメンタル式は、パルス数(分解能)、出力方式(TTL、HTL)、最大回転数を確認する
  • アブソリュート式は、シングルターンかマルチターンか、ビット数、出力インターフェースの種類を確認する
  • IO-Link対応の場合は、位置保持の動作条件を仕様書で確認する
参考資料・更新情報 (2件)

一般的な傾向をまとめたものです。個々の製品の値はデータシートで確認してください。誤りはこちらからお知らせください。