基板・絶縁材料の比誘電率の目安(周波数条件つき)

高周波回路のインピーダンス設計や、基板材料の候補比較に使う目安。比誘電率は周波数で変わるため、条件を値ごとに示した。 言葉の意味から読む ↓

VISUAL GUIDE / 仕組みと選定

電極の間に入る材料と、静電容量

同じ電極面積・間隔なら、誘電率の違いが静電容量に反映されます。

1平行平板の基本形

電極面積 A誘電体 εᵣ dC = ε₀ εᵣ A / d
面積Aの電極を間隔dで置き、間を均一な誘電体で満たした理想モデルです。

2基板では配線と絶縁層を見る

配線(幅も確認)基材基準面(GNDなど)
配線と基準面の間にも電界が生じます。誘電率だけでなく、配線幅や絶縁層の厚さも確認します。

平行平板では C = ε₀ εᵣ A / d(端の電界を無視)。この式を基板配線にそのまま適用はできません。材料表は周波数・温度・測定方法をそろえて比較します。

仕様書・見積依頼で確認すること

  • 材料グレードと測定周波数
  • 層厚・配線寸法・損失係数の条件
参考資料・更新情報 (2件)

確認日: 2026-11-01

2つの項目を並べて読む

見たい項目を左右で選べます。異なる製品・試験条件の数値は、そのまま優劣の比較には使えません。

材料
FR-4 系(Isola FR406)
比誘電率
4.00
誘電正接
0.0130
周波数・条件
100 MHz
出典
Isola
材料
FR-4 系(Isola FR406)
比誘電率
3.95
誘電正接
0.0161
周波数・条件
1 GHz
出典
Isola
材料
FR-4 系(Isola FR406)
比誘電率
3.93
誘電正接
0.0167
周波数・条件
2 GHz
出典
Isola
材料
FR-4 系(Isola FR406)
比誘電率
3.92
誘電正接
0.0172
周波数・条件
5 GHz/10 GHz
出典
Isola
材料
炭化水素・セラミック系(Rogers RO4350B)
比誘電率
3.48 ± 0.05(プロセス値)
誘電正接
0.0037/0.0031
周波数・条件
10 GHz・23 ℃/2.5 GHz・23 ℃
出典
Rogers
材料
炭化水素・セラミック系(Rogers RO4350B)
比誘電率
3.66(設計値)
誘電正接
—
周波数・条件
8〜40 GHz、差位相長法
出典
Rogers
材料
炭化水素・セラミック系(Rogers RO4003C)
比誘電率
3.38 ± 0.05(プロセス値)
誘電正接
0.0027/0.0021
周波数・条件
10 GHz・23 ℃/2.5 GHz・23 ℃
出典
Rogers
材料
PTFE ガラス繊維系(Rogers RT/duroid 5880)
比誘電率
2.20
誘電正接
0.0004
周波数・条件
1 MHz
出典
Rogers
材料
PTFE ガラス繊維系(Rogers RT/duroid 5880)
比誘電率
2.20 ± 0.02(プロセス値)
誘電正接
0.0009
周波数・条件
10 GHz
出典
Rogers
材料
ポリイミドフィルム(Kapton HN、25 µm / 50 µm)
比誘電率
3.4
誘電正接
0.0018 / 0.0020
周波数・条件
1 kHz・23 ℃・50% RH、ASTM D-150-92(典型値)
出典
DuPont
材料
ポリイミドフィルム(Kapton HN、75 µm / 125 µm)
比誘電率
3.5
誘電正接
0.0020 / 0.0026
周波数・条件
1 kHz・23 ℃・50% RH、ASTM D-150-92(典型値)
出典
DuPont
材料
アルミナ 96 %(AD-96)
比誘電率
9
誘電正接
—
周波数・条件
1 MHz・25 ℃
出典
CoorsTek
材料
アルミナ 99.5 %(AD-995)
比誘電率
9.7
誘電正接
—
周波数・条件
1 MHz・25 ℃
出典
CoorsTek
材料
FR-4 系(Isola FR406)
比誘電率
4.00
誘電正接
0.0130
周波数・条件
100 MHz
出典
Isola
材料
FR-4 系(Isola FR406)
比誘電率
3.95
誘電正接
0.0161
周波数・条件
1 GHz
出典
Isola
材料
FR-4 系(Isola FR406)
比誘電率
3.93
誘電正接
0.0167
周波数・条件
2 GHz
出典
Isola
材料
FR-4 系(Isola FR406)
比誘電率
3.92
誘電正接
0.0172
周波数・条件
5 GHz/10 GHz
出典
Isola
材料
炭化水素・セラミック系(Rogers RO4350B)
比誘電率
3.48 ± 0.05(プロセス値)
誘電正接
0.0037/0.0031
周波数・条件
10 GHz・23 ℃/2.5 GHz・23 ℃
出典
Rogers
材料
炭化水素・セラミック系(Rogers RO4350B)
比誘電率
3.66(設計値)
誘電正接
—
周波数・条件
8〜40 GHz、差位相長法
出典
Rogers
材料
炭化水素・セラミック系(Rogers RO4003C)
比誘電率
3.38 ± 0.05(プロセス値)
誘電正接
0.0027/0.0021
周波数・条件
10 GHz・23 ℃/2.5 GHz・23 ℃
出典
Rogers
材料
PTFE ガラス繊維系(Rogers RT/duroid 5880)
比誘電率
2.20
誘電正接
0.0004
周波数・条件
1 MHz
出典
Rogers
材料
PTFE ガラス繊維系(Rogers RT/duroid 5880)
比誘電率
2.20 ± 0.02(プロセス値)
誘電正接
0.0009
周波数・条件
10 GHz
出典
Rogers
材料
ポリイミドフィルム(Kapton HN、25 µm / 50 µm)
比誘電率
3.4
誘電正接
0.0018 / 0.0020
周波数・条件
1 kHz・23 ℃・50% RH、ASTM D-150-92(典型値)
出典
DuPont
材料
ポリイミドフィルム(Kapton HN、75 µm / 125 µm)
比誘電率
3.5
誘電正接
0.0020 / 0.0026
周波数・条件
1 kHz・23 ℃・50% RH、ASTM D-150-92(典型値)
出典
DuPont
材料
アルミナ 96 %(AD-96)
比誘電率
9
誘電正接
—
周波数・条件
1 MHz・25 ℃
出典
CoorsTek
材料
アルミナ 99.5 %(AD-995)
比誘電率
9.7
誘電正接
—
周波数・条件
1 MHz・25 ℃
出典
CoorsTek
材料比誘電率誘電正接周波数・条件出典
FR-4 系(Isola FR406)4.000.0130100 MHz
資料Isola
FR-4 系(Isola FR406)3.950.01611 GHz
資料Isola
FR-4 系(Isola FR406)3.930.01672 GHz
資料Isola
FR-4 系(Isola FR406)3.920.01725 GHz/10 GHz
資料Isola
炭化水素・セラミック系(Rogers RO4350B)3.48 ± 0.05(プロセス値)0.0037/0.003110 GHz・23 ℃/2.5 GHz・23 ℃
資料Rogers
炭化水素・セラミック系(Rogers RO4350B)3.66(設計値)—8〜40 GHz、差位相長法
資料Rogers
炭化水素・セラミック系(Rogers RO4003C)3.38 ± 0.05(プロセス値)0.0027/0.002110 GHz・23 ℃/2.5 GHz・23 ℃
資料Rogers
PTFE ガラス繊維系(Rogers RT/duroid 5880)2.200.00041 MHz
資料Rogers
PTFE ガラス繊維系(Rogers RT/duroid 5880)2.20 ± 0.02(プロセス値)0.000910 GHz
資料Rogers
ポリイミドフィルム(Kapton HN、25 µm / 50 µm)3.40.0018 / 0.00201 kHz・23 ℃・50% RH、ASTM D-150-92(典型値)
資料DuPont
ポリイミドフィルム(Kapton HN、75 µm / 125 µm)3.50.0020 / 0.00261 kHz・23 ℃・50% RH、ASTM D-150-92(典型値)
資料DuPont
アルミナ 96 %(AD-96)9—1 MHz・25 ℃
資料CoorsTek
アルミナ 99.5 %(AD-995)9.7—1 MHz・25 ℃
資料CoorsTek

読むときの注意

  • FR406 の値は Isola のデータシート(Rev. C)の代表値。FR-4 一般の値ではなく、周波数が上がると比誘電率は下がり、誘電正接は上がる傾向がこの表からも読める。
  • Rogers 材の「プロセス値」は材料の受入れ検査に使う測定値、「設計値」は回路設計用に別の方法で求めた値で、両者は一致しない。データシートでは、設計に使う値として設計値を別に示している。
  • Kapton HNの誘電正接は厚さごとに併記しています。典型値であり保証上限ではありません。「—」はこの表に数値を掲載していない項目で、ゼロを意味しません。

はじめての方へ

比誘電率の基礎

比誘電率は、電気を通さない材料(絶縁体)が電気をどれだけ蓄えやすいかを、真空を 1 として表した値です。記号は εr(イプシロン アール)で、単位はありません。

コンデンサでの意味

コンデンサの容量は、電極の間に挟む材料の比誘電率に比例します。比誘電率が大きいセラミックを使うと、同じ大きさでも大きな容量が得られます。積層セラミックコンデンサ(MLCC)で小さくて大容量の品種が作れるのは、このためです。

基板と高周波での意味

基板の比誘電率は、配線を伝わる信号の速さと、配線の特性インピーダンスを決めます。比誘電率が大きいほど信号は遅くなり、基板の上での波長は真空中の 1/√εr に短くなります。高周波用の基板では、比誘電率が周波数や温度で変わりにくいことと、信号の損失を表す誘電正接(tanδ)の小ささも合わせて比べます。

条件で値が変わる

同じ材料でも、測る周波数や温度によって値が変わります。表の値を使うときは、測定条件を確かめます。

このページに出てくる言葉

εr
比誘電率の記号。真空は 1、空気もほぼ 1。
誘電正接(tanδ)
材料の中で信号のエネルギーが熱になって失われる割合の目安。小さいほど損失が少ない。
特性インピーダンス
配線やケーブルが持つ固有のインピーダンス。50 Ω などにそろえて設計する。

あわせて読む: マイクロストリップ線路の特性インピーダンス

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規格は改訂されます。設計・調達の判断は最新の規格書やデータシートで確認してください。誤りはこちらからお知らせください。