絶縁の耐熱クラス(IEC 60085・JIS C 4003)早見表

モータやトランスの仕様にある「F 種」「H 種」が、何度までの絶縁を指すかを引くための表です。クラスは機器内の最高温度(ホットスポット)の上限を表します。 言葉の意味から読む ↓

2つの項目を並べて読む

見たい項目を左右で選べます。異なる製品・試験条件の数値は、そのまま優劣の比較には使えません。

耐熱クラス(IEC 60085)
90
文字記号(JIS C 4003、旧版で使われた区分)
Y
最高許容温度(°C)
90
材料・構成の例(出典の記述)
綿、絹、紙など。含浸していない有機材料
耐熱クラス(IEC 60085)
105
文字記号(JIS C 4003、旧版で使われた区分)
A
最高許容温度(°C)
105
材料・構成の例(出典の記述)
Y 種の材料をワニス含浸または絶縁油で強化したもの。トランス、電話ケーブル、コンデンサなどで使われると解説されている
耐熱クラス(IEC 60085)
120
文字記号(JIS C 4003、旧版で使われた区分)
E
最高許容温度(°C)
120
材料・構成の例(出典の記述)
ポリエチレン、ポリウレタン、エポキシなどの樹脂。航空宇宙、自動車、電子機器、家電で使われると解説されている
耐熱クラス(IEC 60085)
130
文字記号(JIS C 4003、旧版で使われた区分)
B
最高許容温度(°C)
130
材料・構成の例(出典の記述)
マイカ、ガラス繊維などの無機質材料を接着剤で固めた構成。高電圧機器、変換器、トランス、パワーエレクトロニクスで使われると解説されている
耐熱クラス(IEC 60085)
155
文字記号(JIS C 4003、旧版で使われた区分)
F
最高許容温度(°C)
155
材料・構成の例(出典の記述)
B 種の構成に、より耐熱性の高い接着剤、シリコーン、アルキド樹脂系ワニスを使ったもの
耐熱クラス(IEC 60085)
180
文字記号(JIS C 4003、旧版で使われた区分)
H
最高許容温度(°C)
180
材料・構成の例(出典の記述)
無機質材料をシリコーン樹脂、またはそれと同等以上の耐熱性の接着剤で固めたもの
耐熱クラス(IEC 60085)
(旧版)180 超
文字記号(JIS C 4003、旧版で使われた区分)
C
最高許容温度(°C)
180 を超えるもの
材料・構成の例(出典の記述)
すべて無機質材料で構成されたもの(JIS C 4003 旧版の区分)
耐熱クラス(IEC 60085)
200
文字記号(JIS C 4003、旧版で使われた区分)
—(IEC の解説表で文字記号なし)
最高許容温度(°C)
200
材料・構成の例(出典の記述)
解説資料の表に掲載
耐熱クラス(IEC 60085)
220 / 240 / 250
文字記号(JIS C 4003、旧版で使われた区分)
—
最高許容温度(°C)
220 / 240 / 250
材料・構成の例(出典の記述)
数値クラスの例。材料の組合せや機器全体の認定を表すものではない
耐熱クラス(IEC 60085)
90
文字記号(JIS C 4003、旧版で使われた区分)
Y
最高許容温度(°C)
90
材料・構成の例(出典の記述)
綿、絹、紙など。含浸していない有機材料
耐熱クラス(IEC 60085)
105
文字記号(JIS C 4003、旧版で使われた区分)
A
最高許容温度(°C)
105
材料・構成の例(出典の記述)
Y 種の材料をワニス含浸または絶縁油で強化したもの。トランス、電話ケーブル、コンデンサなどで使われると解説されている
耐熱クラス(IEC 60085)
120
文字記号(JIS C 4003、旧版で使われた区分)
E
最高許容温度(°C)
120
材料・構成の例(出典の記述)
ポリエチレン、ポリウレタン、エポキシなどの樹脂。航空宇宙、自動車、電子機器、家電で使われると解説されている
耐熱クラス(IEC 60085)
130
文字記号(JIS C 4003、旧版で使われた区分)
B
最高許容温度(°C)
130
材料・構成の例(出典の記述)
マイカ、ガラス繊維などの無機質材料を接着剤で固めた構成。高電圧機器、変換器、トランス、パワーエレクトロニクスで使われると解説されている
耐熱クラス(IEC 60085)
155
文字記号(JIS C 4003、旧版で使われた区分)
F
最高許容温度(°C)
155
材料・構成の例(出典の記述)
B 種の構成に、より耐熱性の高い接着剤、シリコーン、アルキド樹脂系ワニスを使ったもの
耐熱クラス(IEC 60085)
180
文字記号(JIS C 4003、旧版で使われた区分)
H
最高許容温度(°C)
180
材料・構成の例(出典の記述)
無機質材料をシリコーン樹脂、またはそれと同等以上の耐熱性の接着剤で固めたもの
耐熱クラス(IEC 60085)
(旧版)180 超
文字記号(JIS C 4003、旧版で使われた区分)
C
最高許容温度(°C)
180 を超えるもの
材料・構成の例(出典の記述)
すべて無機質材料で構成されたもの(JIS C 4003 旧版の区分)
耐熱クラス(IEC 60085)
200
文字記号(JIS C 4003、旧版で使われた区分)
—(IEC の解説表で文字記号なし)
最高許容温度(°C)
200
材料・構成の例(出典の記述)
解説資料の表に掲載
耐熱クラス(IEC 60085)
220 / 240 / 250
文字記号(JIS C 4003、旧版で使われた区分)
—
最高許容温度(°C)
220 / 240 / 250
材料・構成の例(出典の記述)
数値クラスの例。材料の組合せや機器全体の認定を表すものではない
耐熱クラス(IEC 60085)文字記号(JIS C 4003、旧版で使われた区分)最高許容温度(°C)材料・構成の例(出典の記述)
90Y90綿、絹、紙など。含浸していない有機材料
105A105Y 種の材料をワニス含浸または絶縁油で強化したもの。トランス、電話ケーブル、コンデンサなどで使われると解説されている
120E120ポリエチレン、ポリウレタン、エポキシなどの樹脂。航空宇宙、自動車、電子機器、家電で使われると解説されている
130B130マイカ、ガラス繊維などの無機質材料を接着剤で固めた構成。高電圧機器、変換器、トランス、パワーエレクトロニクスで使われると解説されている
155F155B 種の構成に、より耐熱性の高い接着剤、シリコーン、アルキド樹脂系ワニスを使ったもの
180H180無機質材料をシリコーン樹脂、またはそれと同等以上の耐熱性の接着剤で固めたもの
(旧版)180 超C180 を超えるものすべて無機質材料で構成されたもの(JIS C 4003 旧版の区分)
200—(IEC の解説表で文字記号なし)200解説資料の表に掲載
220 / 240 / 250—220 / 240 / 250数値クラスの例。材料の組合せや機器全体の認定を表すものではない

読むときの注意

  • IEC 60085:2007は絶縁材料(EIM)と絶縁システム(EIS)の耐熱性評価・クラスを区別します。材料単体の耐熱クラスだけで、機器全体の許容温度上昇を決めないでください。
  • 材料の例は1985年の解説資料に基づく旧JISの区分を含みます。現行規格での材料認定や絶縁システムの適合を示すものではありません。
  • 文字記号は JIS の旧版に基づく区分で、現行の規格は数値のクラス表記が中心です。購入時は仕様書の表記(F 種、155 など)を確認してください。
  • 材料名は代表例で、同じクラスでも材料の組み合わせ・ワニスの処理・使用条件で耐久性が変わります。

はじめての方へ

絶縁の耐熱クラスの基礎

モータやトランスの巻線は、銅線を絶縁材料(エナメル、ワニス、絶縁紙など)で覆っています。耐熱クラスは、その絶縁材料の組み合わせを長く使える温度の上限を記号で表したもので、A・E・B・F・H などがあります。

なぜ温度が大事なのか

絶縁材料は熱で少しずつ劣化し、もろくなると巻線どうしが触れて故障します。温度が高いほど劣化は速く進むので、決められた温度以下で使えば想定した寿命が得られる、という考え方で上限が決められています(IEC 60085)。

記号の読み方

記号ごとに温度が決まっていて、たとえば B 種は 130 ℃、F 種は 155 ℃、H 種は 180 ℃ です。同じ大きさのモータでも、耐熱クラスが高いほど熱に強く、高い出力や暑い場所での使用に向きます。

周囲温度のことではない

この温度は、巻線のいちばん熱くなる部分の上限です。使う場所の温度に、モータ自身が動いて上がる温度(カタログの「温度上昇」)を足した値が、これを超えないようにします。

このページに出てくる言葉

巻線
モータやトランスの中で、銅線をコイル状に巻いた部分。
温度上昇(K)
動かしたときに周囲より何度高くなるか。K の 1 は ℃ の 1 と同じ。
ホットスポット
巻線の中でいちばん温度が高くなる場所。

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規格は改訂されます。設計・調達の判断は最新の規格書やデータシートで確認してください。誤りはこちらからお知らせください。