主なシリアル・バスの信号線数・速度・距離の早見表

基板内の接続から機器間の配線まで、シリアル通信の方式ごとに信号線の構成と速度・距離の目安を比べる表です。掲載値の版・モード・条件を揃えて比較してください。 言葉の意味から読む ↓

VISUAL GUIDE / 仕組みと選定

データ・クロック・選択線の役割

同じシリアル通信でも、接続と送信タイミングの決め方が異なります。

1UART:共通クロック線なし

送信側相手側 TX → RXRX ← TX 各側でタイミングを合わせる
TXと相手のRXを接続します。通信速度やフレーム形式を双方で合わせます。

2I²C:クロックと双方向データ

送信側相手側 SCL →SDA ↔ VDD SCLに合わせてデータを読む
SCLとSDAを共有し、アドレスで相手を選びます。図の抵抗はプルアップです。

3SPI:クロックと選択線

送信側相手側 SCLK →SDO → SDISDI ← SDOCS → CS有効中にクロックで転送
SCLKに同期し、CSで相手を選択します。図は送受信のデータ線を分けた4線式です。

4SPI:取り込むエッジを合わせる

SCLKDATACS ● 立ち上がりで取り込む例
モード0の例では、立ち上がりでデータを取り込みます。CPOL・CPHAと必要なセットアップ/ホールド時間を双方の仕様で確認します。

信号の構成例です。電源・GND・保護回路は省略しています。UARTの論理信号をRS-232電圧に直結しないなど、物理層の条件も確認してください。

仕様書・見積依頼で確認すること

  • 通信方式・電圧・速度・端子割り当て
  • 同期モード、終端やプルアップの要否
参考資料・更新情報 (2件)

確認日: 2026-11-01

2つの項目を並べて読む

見たい項目を左右で選べます。異なる製品・試験条件の数値は、そのまま優劣の比較には使えません。

方式
I2C
信号線・構成
2 本(SDA、SCL)。オープンドレインでプルアップ抵抗が必要。半二重
速度の目安
標準 100 kbps、Fast 400 kbps、Fast-mode Plus 1 Mbps、High-speed 3.4 Mbps、Ultra-Fast 5 Mbps(書き込み専用)
距離・接続数の目安
プルアップ抵抗は配線容量を考慮して選ぶ
接続・配線の注意
1 つのコントローラに複数のターゲットがぶら下がる構成
方式
SPI
信号線・構成
代表的な4線式はSCLK・PICO・POCI・CS。3線式などの構成もある
速度の目安
上限はデバイスと実装条件による。I2CやUARTに対して一律の速度比はない
距離・接続数の目安
共通の最大配線長は設定しない。クロック・負荷容量・配線遅延をデバイス仕様と照合
接続・配線の注意
ターゲットごとに CS を分ける方式と、デイジーチェーン方式がある
方式
UART
信号線・構成
基本のデータ線はTX・RXの2本(GND・電源は別)。非同期。フロー制御の有無は実装による
速度の目安
デバイスが対応するボーレートで照合
距離・接続数の目安
距離は採用する電気インターフェースと配線条件による
接続・配線の注意
UARTとRS-232/RS-485の電気的な定格を混同しない
方式
RS-232
信号線・構成
TIA/EIA-232-F。DB9 の DTE インターフェースは送信系 3 本・受信系 5 本
速度の目安
標準の上限は 20 kbit/s
距離・接続数の目安
RS-232-C の規定は最大 15 m
接続・配線の注意
—
方式
RS-422
信号線・構成
平衡(差動)伝送。1 ドライバ・最大 10 レシーバ
速度の目安
最大 10 Mbps
距離・接続数の目安
理論上の最大ケーブル長 1200 m。約 1 km では約 100 kbps 以下
接続・配線の注意
速度(bps)× 長さ(m)が 10 の 8 乗を超えないことが目安
方式
RS-485
信号線・構成
平衡(差動)伝送のマルチポイント。同時に送信できるドライバは 1 つ(半二重)
速度の目安
10 Mbps 超(TI の素子は 50 Mbps まで)
距離・接続数の目安
理論上の最大ケーブル長 1200 m。バスに最大 32 ユニットロード
接続・配線の注意
TIA/EIA-485
方式
CAN
信号線・構成
2 本(CANH、CANL)の差動。両端に 120 Ω の終端
速度の目安
1 Mbps
距離・接続数の目安
ISO 11898 の規定で 1 Mbps 時にバス長 40 m・最大 30 ノード。スタブは 0.3 m まで
接続・配線の注意
従来の CAN(CAN 2.0)のデータフィールドは最大 8 バイト(Microchip の資料)
方式
CAN FD
信号線・構成
CANH・CANLの差動
速度の目安
データフェーズはコントローラ・トランシーバ・配線で決まる。8 Mbpsは一部製品の例で規格共通の上限ではない
距離・接続数の目安
—
接続・配線の注意
データフィールドは最大 64 バイト。プロトコルは ISO 11898-1:2015
方式
LIN
信号線・構成
1 本。1 コマンダ + 最大 16 レスポンダ
速度の目安
TI 資料の例で 20 kbps(10.4 kbps の条件も記載)
距離・接続数の目安
ワイヤハーネス長は最大 40 m
接続・配線の注意
車載の CAN の下位サブバスとして使われる
方式
USB
信号線・構成
USB 2.0のデータはD+・D−の1差動対。USB 3.xは別の送受信差動対を使用。電源・GND・Type-CのCC等は別
速度の目安
Low Speed 1.5 Mbps、Full Speed 12 Mbps、USB 2.0 High Speed 480 Mbps、USB 3.0 SuperSpeed 5 Gbps、USB 3.1 SuperSpeed+ 10 Gbps
距離・接続数の目安
版・速度・ケーブル仕様・能動/受動の条件を指定して確認
接続・配線の注意
USB4 Specification v2.0 が USB-IF から公開されている(速度は表に含めず)
方式
Ethernet 10BASE-T
信号線・構成
ツイストペア 2 対
速度の目安
10 Mbit/s(名称の数字)
距離・接続数の目安
100 m
接続・配線の注意
IEEE 802.3 Clause 14
方式
Ethernet 100BASE-TX
信号線・構成
ツイストペア 2 対
速度の目安
100 Mbit/s(名称の数字)
距離・接続数の目安
100 m
接続・配線の注意
IEEE 802.3 Clause 25
方式
Ethernet 1000BASE-T
信号線・構成
ツイストペア 4 対
速度の目安
1000 Mbit/s(名称の数字)
距離・接続数の目安
100 m
接続・配線の注意
IEEE 802.3 Clause 40
方式
I2C
信号線・構成
2 本(SDA、SCL)。オープンドレインでプルアップ抵抗が必要。半二重
速度の目安
標準 100 kbps、Fast 400 kbps、Fast-mode Plus 1 Mbps、High-speed 3.4 Mbps、Ultra-Fast 5 Mbps(書き込み専用)
距離・接続数の目安
プルアップ抵抗は配線容量を考慮して選ぶ
接続・配線の注意
1 つのコントローラに複数のターゲットがぶら下がる構成
方式
SPI
信号線・構成
代表的な4線式はSCLK・PICO・POCI・CS。3線式などの構成もある
速度の目安
上限はデバイスと実装条件による。I2CやUARTに対して一律の速度比はない
距離・接続数の目安
共通の最大配線長は設定しない。クロック・負荷容量・配線遅延をデバイス仕様と照合
接続・配線の注意
ターゲットごとに CS を分ける方式と、デイジーチェーン方式がある
方式
UART
信号線・構成
基本のデータ線はTX・RXの2本(GND・電源は別)。非同期。フロー制御の有無は実装による
速度の目安
デバイスが対応するボーレートで照合
距離・接続数の目安
距離は採用する電気インターフェースと配線条件による
接続・配線の注意
UARTとRS-232/RS-485の電気的な定格を混同しない
方式
RS-232
信号線・構成
TIA/EIA-232-F。DB9 の DTE インターフェースは送信系 3 本・受信系 5 本
速度の目安
標準の上限は 20 kbit/s
距離・接続数の目安
RS-232-C の規定は最大 15 m
接続・配線の注意
—
方式
RS-422
信号線・構成
平衡(差動)伝送。1 ドライバ・最大 10 レシーバ
速度の目安
最大 10 Mbps
距離・接続数の目安
理論上の最大ケーブル長 1200 m。約 1 km では約 100 kbps 以下
接続・配線の注意
速度(bps)× 長さ(m)が 10 の 8 乗を超えないことが目安
方式
RS-485
信号線・構成
平衡(差動)伝送のマルチポイント。同時に送信できるドライバは 1 つ(半二重)
速度の目安
10 Mbps 超(TI の素子は 50 Mbps まで)
距離・接続数の目安
理論上の最大ケーブル長 1200 m。バスに最大 32 ユニットロード
接続・配線の注意
TIA/EIA-485
方式
CAN
信号線・構成
2 本(CANH、CANL)の差動。両端に 120 Ω の終端
速度の目安
1 Mbps
距離・接続数の目安
ISO 11898 の規定で 1 Mbps 時にバス長 40 m・最大 30 ノード。スタブは 0.3 m まで
接続・配線の注意
従来の CAN(CAN 2.0)のデータフィールドは最大 8 バイト(Microchip の資料)
方式
CAN FD
信号線・構成
CANH・CANLの差動
速度の目安
データフェーズはコントローラ・トランシーバ・配線で決まる。8 Mbpsは一部製品の例で規格共通の上限ではない
距離・接続数の目安
—
接続・配線の注意
データフィールドは最大 64 バイト。プロトコルは ISO 11898-1:2015
方式
LIN
信号線・構成
1 本。1 コマンダ + 最大 16 レスポンダ
速度の目安
TI 資料の例で 20 kbps(10.4 kbps の条件も記載)
距離・接続数の目安
ワイヤハーネス長は最大 40 m
接続・配線の注意
車載の CAN の下位サブバスとして使われる
方式
USB
信号線・構成
USB 2.0のデータはD+・D−の1差動対。USB 3.xは別の送受信差動対を使用。電源・GND・Type-CのCC等は別
速度の目安
Low Speed 1.5 Mbps、Full Speed 12 Mbps、USB 2.0 High Speed 480 Mbps、USB 3.0 SuperSpeed 5 Gbps、USB 3.1 SuperSpeed+ 10 Gbps
距離・接続数の目安
版・速度・ケーブル仕様・能動/受動の条件を指定して確認
接続・配線の注意
USB4 Specification v2.0 が USB-IF から公開されている(速度は表に含めず)
方式
Ethernet 10BASE-T
信号線・構成
ツイストペア 2 対
速度の目安
10 Mbit/s(名称の数字)
距離・接続数の目安
100 m
接続・配線の注意
IEEE 802.3 Clause 14
方式
Ethernet 100BASE-TX
信号線・構成
ツイストペア 2 対
速度の目安
100 Mbit/s(名称の数字)
距離・接続数の目安
100 m
接続・配線の注意
IEEE 802.3 Clause 25
方式
Ethernet 1000BASE-T
信号線・構成
ツイストペア 4 対
速度の目安
1000 Mbit/s(名称の数字)
距離・接続数の目安
100 m
接続・配線の注意
IEEE 802.3 Clause 40
方式信号線・構成速度の目安距離・接続数の目安接続・配線の注意
I2C2 本(SDA、SCL)。オープンドレインでプルアップ抵抗が必要。半二重標準 100 kbps、Fast 400 kbps、Fast-mode Plus 1 Mbps、High-speed 3.4 Mbps、Ultra-Fast 5 Mbps(書き込み専用)プルアップ抵抗は配線容量を考慮して選ぶ1 つのコントローラに複数のターゲットがぶら下がる構成
SPI代表的な4線式はSCLK・PICO・POCI・CS。3線式などの構成もある上限はデバイスと実装条件による。I2CやUARTに対して一律の速度比はない共通の最大配線長は設定しない。クロック・負荷容量・配線遅延をデバイス仕様と照合ターゲットごとに CS を分ける方式と、デイジーチェーン方式がある
UART基本のデータ線はTX・RXの2本(GND・電源は別)。非同期。フロー制御の有無は実装によるデバイスが対応するボーレートで照合距離は採用する電気インターフェースと配線条件によるUARTとRS-232/RS-485の電気的な定格を混同しない
RS-232TIA/EIA-232-F。DB9 の DTE インターフェースは送信系 3 本・受信系 5 本標準の上限は 20 kbit/sRS-232-C の規定は最大 15 m—
RS-422平衡(差動)伝送。1 ドライバ・最大 10 レシーバ最大 10 Mbps理論上の最大ケーブル長 1200 m。約 1 km では約 100 kbps 以下速度(bps)× 長さ(m)が 10 の 8 乗を超えないことが目安
RS-485平衡(差動)伝送のマルチポイント。同時に送信できるドライバは 1 つ(半二重)10 Mbps 超(TI の素子は 50 Mbps まで)理論上の最大ケーブル長 1200 m。バスに最大 32 ユニットロードTIA/EIA-485
CAN2 本(CANH、CANL)の差動。両端に 120 Ω の終端1 MbpsISO 11898 の規定で 1 Mbps 時にバス長 40 m・最大 30 ノード。スタブは 0.3 m まで従来の CAN(CAN 2.0)のデータフィールドは最大 8 バイト(Microchip の資料)
CAN FDCANH・CANLの差動データフェーズはコントローラ・トランシーバ・配線で決まる。8 Mbpsは一部製品の例で規格共通の上限ではない—データフィールドは最大 64 バイト。プロトコルは ISO 11898-1:2015
LIN1 本。1 コマンダ + 最大 16 レスポンダTI 資料の例で 20 kbps(10.4 kbps の条件も記載)ワイヤハーネス長は最大 40 m車載の CAN の下位サブバスとして使われる
USBUSB 2.0のデータはD+・D−の1差動対。USB 3.xは別の送受信差動対を使用。電源・GND・Type-CのCC等は別Low Speed 1.5 Mbps、Full Speed 12 Mbps、USB 2.0 High Speed 480 Mbps、USB 3.0 SuperSpeed 5 Gbps、USB 3.1 SuperSpeed+ 10 Gbps版・速度・ケーブル仕様・能動/受動の条件を指定して確認USB4 Specification v2.0 が USB-IF から公開されている(速度は表に含めず)
Ethernet 10BASE-Tツイストペア 2 対10 Mbit/s(名称の数字)100 mIEEE 802.3 Clause 14
Ethernet 100BASE-TXツイストペア 2 対100 Mbit/s(名称の数字)100 mIEEE 802.3 Clause 25
Ethernet 1000BASE-Tツイストペア 4 対1000 Mbit/s(名称の数字)100 mIEEE 802.3 Clause 40

読むときの注意

  • 速度と距離は反比例の関係にあります。RS-422 / RS-485 は規格自体はケーブル長を制限せず、TI は比較表で理論上の最大ケーブル長を 1200 m としています。
  • I2C は TI の資料名で controller / target と呼ぶ表記を使っています(従来の master / slave に相当)。
  • SPI の TI 資料は PICO / POCI と表記します(従来の MOSI / MISO に相当)。
  • 「—」は本表に数値を掲載していない項目です。信号線数はインターフェースの版・モード、通信距離は機器仕様と配線条件を確認してください。
  • CAN FD のデータフェーズ速度は規格上の上限ではなく、トランシーバやコントローラが対応する値です。
  • 線数はデータ/制御信号の構成です。GND、電源、シールド、コネクタの全ピン数とは一致しません。

はじめての方へ

シリアル通信の基礎

シリアル通信は、データを 1 ビットずつ順番に、少ない本数の線で送る方式です。マイコンとセンサ、機器と機器をつなぐ通信の多くがこの方式です。

同期式と非同期式

I²C や SPI は、データの線とは別に「クロック」という合図の線を持ち、その合図に合わせてデータを読み取ります(同期式)。UART はクロックの線を持たず、送る側と受ける側で通信の速さ(ボーレート)をあらかじめ合わせておきます(非同期式)。

基板の中か、機器の外か

I²C・SPI・UART は、主に同じ基板の中や短い距離で使う方式です。工場の機器どうしのように、距離が長く雑音の多い場所では、RS-485 や CAN のように 2 本の線の電圧の差で信号を送る「差動」方式が使われます。雑音は 2 本の線に同じように乗るので、差を取ると打ち消しやすくなります。

1 対 1 か、1 対多か

UART は基本的に 1 対 1 でつなぎます。I²C は 1 組の線に複数の部品をつなぎ、アドレスで相手を選びます。SPI は相手ごとに選択用の線(CS)を用意します。部品を選ぶときは、マイコン側にその方式の通信回路(ペリフェラル)がいくつあるかも確認します。

このページに出てくる言葉

クロック
データを読み取るタイミングを知らせる合図の信号。
ボーレート
非同期通信で 1 秒間に送る記号の数。UART ではおおむね bit/s と同じ。
差動
2 本の線の電圧の差で 0 と 1 を表す方式。雑音に強い。
ペリフェラル
マイコンに内蔵された通信や計測の回路。

あわせて読む: CAN と CAN FD の違い

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参考資料・更新情報 (12件)

規格は改訂されます。設計・調達の判断は最新の規格書やデータシートで確認してください。誤りはこちらからお知らせください。