RoHS 指令の規制 10 物質と REACH の概要

環境適合の回答書を読むために、RoHSの濃度基準・適用除外と、REACHの手続・情報伝達を整理します。適用除外番号の意味を確認し、仕入先への質問に使えます。

2つの項目を並べて読む

見たい項目を左右で選べます。異なる製品・試験条件の数値は、そのまま優劣の比較には使えません。

区分
RoHS
項目
鉛
内容
0.1 %(1,000 ppm)
補足
重金属
区分
RoHS
項目
水銀
内容
0.1 %(1,000 ppm)
補足
重金属
区分
RoHS
項目
カドミウム
内容
0.01 %(100 ppm)
補足
重金属。他の物質より 1 桁厳しい
区分
RoHS
項目
六価クロム
内容
0.1 %(1,000 ppm)
補足
重金属
区分
RoHS
項目
ポリ臭化ビフェニル(PBB)
内容
0.1 %(1,000 ppm)
補足
難燃剤
区分
RoHS
項目
ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)
内容
0.1 %(1,000 ppm)
補足
難燃剤
区分
RoHS
項目
フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)(DEHP)
内容
0.1 %(1,000 ppm)
補足
フタル酸エステル。委任指令 (EU) 2015/863 で追加
区分
RoHS
項目
フタル酸ブチルベンジル(BBP)
内容
0.1 %(1,000 ppm)
補足
フタル酸エステル。同上
区分
RoHS
項目
フタル酸ジブチル(DBP)
内容
0.1 %(1,000 ppm)
補足
フタル酸エステル。同上
区分
RoHS
項目
フタル酸ジイソブチル(DIBP)
内容
0.1 %(1,000 ppm)
補足
フタル酸エステル。同上
区分
REACH
項目
適用範囲
内容
物質、混合物、成形品の製造・上市・使用
補足
物質・用途・手続によって適用や免除が異なるため、第2条と個別の規定を確認する
区分
REACH
項目
登録(Registration)
内容
製造者・輸入者が欧州化学品庁(ECHA)へ登録。原則として年 1 トン以上
補足
年 10 トン以上は化学物質安全性評価と報告書が必要
区分
REACH
項目
評価(Evaluation)
内容
ECHAが登録文書の適合性や試験提案を評価し、加盟国の所管当局が物質の懸念を評価する
補足
登録文書の確認と物質評価を区別する。製品の適合証明を発行する手続ではない
区分
REACH
項目
認可(Authorisation)
内容
附属書 XIV に載る物質は認可が必要
補足
認可番号の表示義務がある
区分
REACH
項目
制限(Restriction)
内容
附属書 XVII に載る物質は条件を満たす場合に限り製造・上市・使用できる
補足
―
区分
REACH
項目
SVHC(高懸念物質)の情報伝達
内容
成形品中に候補リスト物質が 0.1 重量 % を超えて含まれる場合、供給者は受領者へ安全な使用に足る情報(少なくとも物質名)を伝える(第 33 条)
補足
消費者から請求があれば 45 日以内に無償で提供。年間トン数に関係なく適用(スイス当局の説明)
区分
REACH
項目
SVHC の使用禁止の有無
内容
候補リストへの掲載自体は使用や含有を禁止しない
補足
禁止・用途制限は認可・制限の手続による
区分
RoHS
項目
鉛
内容
0.1 %(1,000 ppm)
補足
重金属
区分
RoHS
項目
水銀
内容
0.1 %(1,000 ppm)
補足
重金属
区分
RoHS
項目
カドミウム
内容
0.01 %(100 ppm)
補足
重金属。他の物質より 1 桁厳しい
区分
RoHS
項目
六価クロム
内容
0.1 %(1,000 ppm)
補足
重金属
区分
RoHS
項目
ポリ臭化ビフェニル(PBB)
内容
0.1 %(1,000 ppm)
補足
難燃剤
区分
RoHS
項目
ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)
内容
0.1 %(1,000 ppm)
補足
難燃剤
区分
RoHS
項目
フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)(DEHP)
内容
0.1 %(1,000 ppm)
補足
フタル酸エステル。委任指令 (EU) 2015/863 で追加
区分
RoHS
項目
フタル酸ブチルベンジル(BBP)
内容
0.1 %(1,000 ppm)
補足
フタル酸エステル。同上
区分
RoHS
項目
フタル酸ジブチル(DBP)
内容
0.1 %(1,000 ppm)
補足
フタル酸エステル。同上
区分
RoHS
項目
フタル酸ジイソブチル(DIBP)
内容
0.1 %(1,000 ppm)
補足
フタル酸エステル。同上
区分
REACH
項目
適用範囲
内容
物質、混合物、成形品の製造・上市・使用
補足
物質・用途・手続によって適用や免除が異なるため、第2条と個別の規定を確認する
区分
REACH
項目
登録(Registration)
内容
製造者・輸入者が欧州化学品庁(ECHA)へ登録。原則として年 1 トン以上
補足
年 10 トン以上は化学物質安全性評価と報告書が必要
区分
REACH
項目
評価(Evaluation)
内容
ECHAが登録文書の適合性や試験提案を評価し、加盟国の所管当局が物質の懸念を評価する
補足
登録文書の確認と物質評価を区別する。製品の適合証明を発行する手続ではない
区分
REACH
項目
認可(Authorisation)
内容
附属書 XIV に載る物質は認可が必要
補足
認可番号の表示義務がある
区分
REACH
項目
制限(Restriction)
内容
附属書 XVII に載る物質は条件を満たす場合に限り製造・上市・使用できる
補足
―
区分
REACH
項目
SVHC(高懸念物質)の情報伝達
内容
成形品中に候補リスト物質が 0.1 重量 % を超えて含まれる場合、供給者は受領者へ安全な使用に足る情報(少なくとも物質名)を伝える(第 33 条)
補足
消費者から請求があれば 45 日以内に無償で提供。年間トン数に関係なく適用(スイス当局の説明)
区分
REACH
項目
SVHC の使用禁止の有無
内容
候補リストへの掲載自体は使用や含有を禁止しない
補足
禁止・用途制限は認可・制限の手続による
区分項目内容補足
RoHS鉛0.1 %(1,000 ppm)重金属
RoHS水銀0.1 %(1,000 ppm)重金属
RoHSカドミウム0.01 %(100 ppm)重金属。他の物質より 1 桁厳しい
RoHS六価クロム0.1 %(1,000 ppm)重金属
RoHSポリ臭化ビフェニル(PBB)0.1 %(1,000 ppm)難燃剤
RoHSポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)0.1 %(1,000 ppm)難燃剤
RoHSフタル酸ビス(2-エチルヘキシル)(DEHP)0.1 %(1,000 ppm)フタル酸エステル。委任指令 (EU) 2015/863 で追加
RoHSフタル酸ブチルベンジル(BBP)0.1 %(1,000 ppm)フタル酸エステル。同上
RoHSフタル酸ジブチル(DBP)0.1 %(1,000 ppm)フタル酸エステル。同上
RoHSフタル酸ジイソブチル(DIBP)0.1 %(1,000 ppm)フタル酸エステル。同上
REACH適用範囲物質、混合物、成形品の製造・上市・使用物質・用途・手続によって適用や免除が異なるため、第2条と個別の規定を確認する
REACH登録(Registration)製造者・輸入者が欧州化学品庁(ECHA)へ登録。原則として年 1 トン以上年 10 トン以上は化学物質安全性評価と報告書が必要
REACH評価(Evaluation)ECHAが登録文書の適合性や試験提案を評価し、加盟国の所管当局が物質の懸念を評価する登録文書の確認と物質評価を区別する。製品の適合証明を発行する手続ではない
REACH認可(Authorisation)附属書 XIV に載る物質は認可が必要認可番号の表示義務がある
REACH制限(Restriction)附属書 XVII に載る物質は条件を満たす場合に限り製造・上市・使用できる―
REACHSVHC(高懸念物質)の情報伝達成形品中に候補リスト物質が 0.1 重量 % を超えて含まれる場合、供給者は受領者へ安全な使用に足る情報(少なくとも物質名)を伝える(第 33 条)消費者から請求があれば 45 日以内に無償で提供。年間トン数に関係なく適用(スイス当局の説明)
REACHSVHC の使用禁止の有無候補リストへの掲載自体は使用や含有を禁止しない禁止・用途制限は認可・制限の手続による

RoHS 適用除外番号の読み方

用途の概要は欧州委員会の一覧、7(c)系の期限は委任指令(EU)2025/2363に基づきます。現在有効な全適用除外の一覧ではありません。適用除外の番号、用途条件、機器カテゴリと上市日を一組で確認してください。

Annex III / 附属書III

特定用途に対する物質制限の適用除外。各項目の機器カテゴリ・用途条件を確認します。

Annex IV / 附属書IV

医療機器、監視・制御機器に固有の適用除外。一般の機器へそのまま流用できません。

英語は検索用の要約、日本語は説明用の訳です。正式な条文の全文ではありません。「系」は枝番を含む項目群を指します。

番号英語の要約日本語の解説・確認点
III 6(a) 系Lead in steel鋼中の合金成分としての鉛

切削用鋼と亜鉛めっき鋼などで枝番・濃度条件が異なります。鋼材であれば一律に対象になるわけではありません。

III 6(b) 系Lead in aluminiumアルミニウム合金中の鉛

切削用・鋳造用・スクラップ由来などの条件を区別します。6(b)-I・II・IIIを混同しないようにします。

III 6(c)Lead in copper alloys銅合金中の鉛

鉛含有率4重量%以下という条件を含みます。追加の用途制限・脚注も照合します。

III 7(a) 系High-temperature solder高融点はんだ中の鉛

鉛85重量%以上の鉛系合金が基本の記述です。用途別の枝番があるため、番号と使用箇所を照合します。

III 7(c)-I・V・VIGlass / ceramicガラス・セラミック中の鉛

ガラスやセラミックに含まれる鉛の用途を区別します。コンデンサの誘電体セラミックは別項目として扱います。

III 7(c)-IICapacitor dielectricコンデンサの誘電体セラミック中の鉛

定格125 V AC以上または250 V DC以上という条件を含みます。電圧だけでなく材質・用途・期限も照合します。

有効性・更新状況の英語表記

状態名は欧州委員会の一覧で使われる表記です。用途を説明する上の表とは別に確認します。

一覧の英語表記意味・確認すること
Valid有効

一覧の基準日時点の状態です。用途・カテゴリ・期限の条件まで照合します。

Valid - requested for renewal有効・更新申請あり

期限内の更新申請がある既存の適用除外は、委員会の決定まで有効性が継続します。決定済みか、移行期間があるかを確認します。

Valid - no longer renewable有効・更新不可の表示

一覧の期限と後継項目を確認します。自動的に延長されると解釈しないでください。

No longer valid失効

この項目を新たな採用の根拠にしないでください。交換部品などの個別規定は別途確認します。

Not applicable - request under assessment審査中・まだ適用不可

新規申請が審査中というだけでは適用除外を使えません。更新申請中の既存項目と区別します。

7(c)系の法令に記載された期限

以下は委任指令(EU)2025/2363の附属書に記載された期限です。同指令の国内措置は2026年7月1日から適用されます。後日の改正・更新申請と個別用途への該当性は別途照合してください。

附属書IIIの番号条文の期限対象・確認点
7(c)-I2027-06-30全カテゴリ。ガラス・セラミック等の用途条件に該当すること。
7(c)-II2027-12-31全カテゴリ。ただし7(c)-I・7(c)-IVに該当する用途を除く。
7(c)-V2027-12-31全カテゴリ。ガラスについて規定する5つの機能のいずれかに該当すること。
7(c)-VI2027-12-31全カテゴリ。PZTまたはPTCの規定用途に限定。IIIの7(c)-II・III・IVとIVの14に該当する用途を除く。

chemSHERPAの用途コードを確認する

RoHSの適用除外番号とchemSHERPAの用途コードは別の識別子です。同じ適用除外でも、リスト改訂で用途コードが変わる場合があります。

適用除外番号旧用途コード新用途コード
6(c)00040-B-0000040-C-00
7(a)00042-B-0000042-C-00
7(c)-I00045-B-0000045-C-00
7(c)-II00047-B-0000047-C-00
  • CMPの2026年9月8日告知では、上の4項目を次版V3R1.00.0(外部リスト3.01)の自動変換対象としています。使用するツールと外部リストの版を回答書に添えてください。
  • 同告知の「8888-12-31」は期限設定が未定であることを表す値です。法令上の無期限や、すべての用途で使えることを意味しません。
  • 製品カテゴリが変更された項目は、同告知では自動変換の対象外です。コードの変換結果だけで適用可否を判断せず、用途・カテゴリ・法令の期限を照合します。

購買時に揃える資料

  1. メーカー名・型番・製品改訂と、回答書の発行日を揃える。
  2. 適用除外を使う場合、Annex III / IV、番号と枝番、対象物質、含有する材料・使用箇所を求める。
  3. 最終製品の機器カテゴリと上市予定日を伝え、適用範囲・濃度条件・期限・更新申請や後継番号を照合する。
  4. chemSHERPAを受領する場合は、作成ツール・外部リストの版と用途コードを確認する。「8888-12-31」を法令上の無期限と読み替えない。
  5. RoHSの回答とREACHの回答を別々に受領する。REACHは候補リストの基準日と対象成形品を確認する。

角括弧の部分を置き換えて使えます。この欄の入力内容は送信されません。

部品の見積依頼文も作る →

読むときの注意

  • RoHSの濃度は均質材料ごとの重量比です。部品全体・製品全体の平均値ではありません。
  • 適用除外は、特定の物質・用途・機器カテゴリ・期間についての条件です。同じ物質を含むすべての部品に使える免除ではありません。
  • REACHの候補リストは更新されます。回答書には対象とした候補リストの版・公表日を記録し、最新版との差分を確認してください。
  • REACHの0.1重量%は、複数の成形品を組み合わせた製品でも、成形品としての性質を保持する各成形品を単位に判定します。製品全体の重量で希釈して判定しません。
  • RoHSとREACHは別の法令です。RoHS適合だけでは、REACHのSVHC非含有を示せません。
  • 適用除外の英語表記は用途を探すための要約で、日本語は説明用の訳です。適用除外の正式な文言・脚注・期限は、該当するEU法令と照合してください。

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規格は改訂されます。設計・調達の判断は最新の規格書やデータシートで確認してください。誤りはこちらからお知らせください。